2013年9月26日木曜日

イカす音楽「Stranglers」



70年代に沸き起こった一大パンクムーブメント
SexPistols をアイコンとして、ClashDamnedなど、
過激な言動、反社会的な行動、暴力満載血まみれライブが売りのバンドが幅を利かせていた。(左からSexPistols、 Damned、 Clash)
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当時、KISS、Aerosmith、Rainbow、U.K.などハードロックやプログレを聞いていたロック少年だった私だが、一部のパンクバンドには少なからず影響を受けた。
Music Life等の雑誌で当時の荒れるロンドンの状況を見てチビっていたが。)


その中でも最も好きだったのがStranglersである。


Stranglersはパンクのカテゴリーにありながら、なんとキーボードプレーヤーを有する一風変わったバンドであった。
パンクの疾走感は失わず、キーボードの彩りを重ねたサウンドは、プログレッシブパンクとも言うべきもので、当時のパンクバンドとは一線を画していた。

歌詞においても、Pistolsのような「ぶっ壊せ~」「女王いらねー」「未来はねー」などの単純破滅型の内容ではなく、
当時の政治問題を過激かつシニカルに批判しており、非常に政治色の濃い過激な内容となっていた。
このため、一部の政治団体と暴力沙汰を起こしたりと武闘派としても有名であった。(喧嘩相手が半端なくコワイな~。)

そんな彼らは、いわゆるパンカーに多い労働者階級から出てきたゴロツキ達ではなく、
皆大学卒のインテリだったらしく、ジャン・ジャック・バーネルなんかは三島由紀夫に傾倒していたなどなど、
思想的にも一筋縄ではいかない人達だったのだ。
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サウンド面でおいても、その辺のパンカー達に比べても演奏技術が高く、バンドとしてのアンサンブルも素晴らしい。
ヒュー・コーンウェルのパンキッシュなコードカッティング、
ジェットブラックの地味ながらドライブ感のあるドラム、
そして何と言っても、バンドのフロントマンと言えるジャン・ジャック・バーネルのうねるようなゴリゴリベース、
ここに、デイブグリーンフィールドの奏でるカラフルなオルガンが絡む。

特に下記2枚のアルバムは、パンクロックの過激さを失わず、かつパンクを超えた緻密なアレンジを施したプログレッシブサウンドになっている。
特に Black And White はロック史上に残る名盤といえる。

No More Heroes (1977年)
Stranglers__no_more_heroes_album__2http://www.youtube.com/watch?v=WHRS01q72ic

Black And White (1978年)
Stranglers__blackwhite_album_coverhttp://www.youtube.com/watch?v=-55d4XkfW8w&list=PLD4DA9F77654BC920

Black And Whiteの次作Raven以降、パンクの荒々しさは薄れ、欧州的なアートロックの世界へと進んでいく。
それはそれで欧州では評価されているらしいのだが、私の中ではこの2枚の印象があまりに強く、後のstranglersは好きになれなかった。

最近のいわゆるパンキッシュと言われるバンドも、この頃の過激さと比べるとみな優等生でつまらない。
世の中の不条理なものをぶっ壊すぞなんてイキりながらも、
内向きなグチを吐き捨て、しまいにはドラッグに走り、自己破滅を起こすぐらいが関の山。
当時のパンカーは権力に対して噛みついて離れず、とにかく媚びずにワルに徹していたというか、純粋なバカだったというか、愛すべき不良達だった。
まあ時代が違うか。。年寄りの戯言である。

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